【 壮大な物語の序章 】  

文野麗

4話までの話評である。
やかで、描写がとても綺麗な作品である。ファンタジーでありながら、世界観が自然と理解されるように編みこまれていて、読んで素直に飲み込むことが出来る。見事である。また登場人物の仕草や表情が大変写実的である。この巧みな描写が作者の最も優れた部分であると考える。それから主人公の苦悩は各読者にも通じるような部分があるのではないか。人間の普遍的な部分を描いている。このことは非常に小説的、文学的である。
主人公は魔法の存在する世界にありながら、魔法を使うことのできない少女である。ファンタジーで、あえて特殊な能力を持たないものを主人公に置くのは、独特で面白いうえにかなり大胆な設定である。なぜなら、その世界で主人公のできることが自然と限られてしまうからだ。特殊な能力の必然性と主人公に値する役割を物語上で両立させようとする、意欲的な挑戦作だと強く感じる。
毎回優れた作品をみせてくれる作者のことであるから、今作も大いに期待できるだろう。

公開日時:2018-05-10

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