【 溶け込む 】  

三津凛

主人公のプチ挫折と騒がしくなる日常、そして相変わらず遠い存在である中山静。
答えの出る問題に向かい続ける主人公と、芸術という抽象的なものを追い続ける中山は交わらない人間同士である事が分かってくる。
中山がフランスへ留学する件では、なんとなく「カントリーロード」の天沢聖司を思い出させた。彼はクラシックの本場イタリアへ行ったが、中山は芸術の中心地であったフランスへ旅立つ。日本に留まる主人公と、海の向こうへ行く中山の対比というのは3年間同じクラスでも遂に仲良くなれない交友関係があるのと微妙に重なる。
それはそれで、幸せな事であるかもしれない。
主人公は中山を見送った後、ようやく溶け込めるようになった「日常」へと帰って行く。

公開日時:2018-01-17

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コメント一覧

コメント数:2件
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文野麗 5ヶ月前

ありがとうございます!丁寧に分析していただいて嬉しい限りです。

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三津凛 5ヶ月前

第4章からエピローグまでの話評です。