【 死を哀れむな 】  

三津凛

三者の視点が蔓のように絡まり合う。そして背景に「檸檬」の木が佇む。その木と同じ名前の少女と先生、そこから弾かれたナレーションのような存在の看護師が語る。
全体的に儚く哀しげな雰囲気の文体の中で、死と隣り合わせの少女とその中に自分の生を見出した医師の「日常」があった。
「死を哀れむな」と看取る人たちに言った少女は、大人になる前に枯れてしまった。哀れまないように、その後で生者が肩を震わせる…。
シリアスで重めの設定を感じさせない少女本人の口調が良い意味で軽快だった。それぞれの立場に合った語感の選択と雰囲気に読まされた。

公開日時:2018-04-13

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コメント数:1件
95dd72a0 d6fb 4813 81ec bcce6d77118220180316043348
迷歩 6日前

素敵な書評をありがとうございました!励みになります。